シカゴ
(ビジネスワイヤ) — 本日、70歳以上の患者を対象にマイクロスフィア「SIRスフィア」(SIR-Spheres®)を使用した選択的内部放射線療法(SIRT)を評価する初の大規模多施設研究の結果が、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次大会で発表されました。研究者らによれば、切除不能大腸がん肝転移(mCRC)の高齢患者においてSIRスフィアを使用すると、若年患者と同等の効果および良好な忍容性を示すことが判明しました1。これらの知見を発表したのは、MORE研究の筆頭研究者を務めたアンドリュー・S・ケネディ医師(M.D.、F.A.C.R.O.)で、ケネディ医師は米テネシー州ナッシュビルにあるサラキャノン研究所で放射線腫瘍学担当ディレクターを務めています。
ケネディ医師は、次のように述べています。「多くの標準的な化学療法レジメンは、高齢患者に適用されないか、投与量が少なく、効果がより低くなってしまう可能性のあるレベルで適用されています。高齢患者ではこれらの医薬品に対して忍容性がないと認識されていたり、実際のそのことを示すデータがあったりするからです。結果として、この患者層は効果的な治療選択肢から置き去りにされています。」
Y-90マイクロスフィア療法が低侵襲であるという特質から、ケネディ医師を含む研究らは、SIRTが化学療法でよく見られる副作用の懸念なしに、高齢患者に対する効果的な治療選択肢を提供できる可能性があるとの仮定を立てています。
「手術不可能な肝腫瘍を持った高齢患者を治療するための最善の方法を理解しようと、オンコロジーコミュニティーが長年にわたって苦闘してきたことからすれば、本研究の結果は大きな意義があります。私たちがこの研究から、SIRTによる外来治療セッションが高齢患者においても若年患者と同様に効果的であることを示し得た事実は、重要な進展です。しかし、真に重要なメリットは、70歳以上の患者でも同様にSIRTに対する忍容性が良好であったということです。これらの患者層に対する治療が不十分であったケースがあまりにも多く、患者自身も生活の質を懸念して治療を控える選択をしています。」(ケネディ医師)
ランドマーク研究MOREの一部として、この後ろ向き解析では、切除不能mCRCを持ち、米国の11施設でSIRスフィアによる治療を連続的に2002年7月から2011年12月まで受けた患者、すなわち高齢患者(70歳以上)160人および若年患者(70歳未満)446人の臨床転帰を評価しました。どちらの年齢群でも、患者の性別・人種・全身状態、その他の特性は同様の構成でした。
両コホートの転帰はSIRスフィアによる治療後、同等でした。生存期間中央値は高齢患者が9.3カ月であるのに対して、若年患者が9.7カ月でした。両年齢群で治療に対する忍容性が良好で、グレード3+の有害事象の有意な増加は高齢患者において見られませんでした。最も一般的なグレード3+の有害事象は腹痛と疲労です。研究者らは、本研究の高齢患者(75以上の98人)を対象とするサブ解析でも、若年患者と比較したところ、生存率と毒性に関して同等の転帰が確認されたと記述しています。
サーテックス・メディカルのマイク・マンガーノ社長は、次のように述べています。「人々はより長くというだけでなく、よりよい生活の質を確保して長生きしたいのです。毒性を持つ可能性がある化学療法の選択肢と比べて副作用が最小の外来向け治療手法を提供することのメリットは、多大です。この研究は、この患者層で生存期間と生活の質を改善するための機会が平等にあることを示すものです。私たちの目標は、これらの知見を活用して、オンコロジーコミュニティーと高齢患者、ケア提供者の間で意義あるコミュニケーションを促し、治療についての最善の決定を下せるように支援することです。」
メディアへの注記
ケネディ医師はASCOでメディアインタビューを受けることができます。サーテックス・メディカルのマイク・マンガーノ社長も本研究の意義についてお話しできます。会見の予約については、Elizabeth Romeroまで elizabeth.romero@fleishman.com にご連絡をお願いします。
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1 Kennedy AS, Ball D, Steven J. Cohen SJ et al. Safety and efficacy of resin 90Y-microspheres in elderly (≥70 years) compared to younger patients with colorectal liver metastases (mCRC). ASCO 2013; Abs. #e14545.
マイクロスフィア「SIRスフィア」を使用した選択的内部放射線療法について
放射線塞栓療法としても知られる選択的内部放射線療法(SIRT)は、手術不能の肝臓がんを対象とする実証済みの技術で、放射線を腫瘍部位に直接照射します。低侵襲療法にて何百万個という放射性マイクロスフィア「SIRスフィア」をカテーテル経由で肝臓に注入し、それらマイクロスフィアは肝腫瘍を選択的に標的化し、通常の放射線療法より最大40倍高い線量を内部照射します。健康な組織には害を及ぼしません。
臨床試験の結果から、SIRスフィアを使用した治療を受けた肝臓がん患者が、その他の治療手法と比較して高い奏功率を示し、結果的に平均余命の延長、腫瘍活性が見られない期間の増大、生活の質の向上を達成できることが証明されています。SIRTは単独の化学療法よりも肝腫瘍を縮小できることが判明しています。
SIRスフィアはオーストラリア、米国(FDAのPMA承認)、欧州連合(CEマーク)、アルゼンチン(ANMAT)で使用が承認されています。またSIRスフィアは香港、マレーシア、シンガポール、タイ、台湾、インド、イスラエル、トルコなどの国々で供給されています。SIRスフィアは600以上の治療センターで利用可能で、世界における投与回数は3万4000回以上に上ります。
詳細については、www.sirtex.comをご覧ください。
SIR-Spheres®はSirtex SIR-Spheres Pty Ltd.の登録商標です。
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